北海道土砂災害警戒情報システム


用語解説

◆土砂災害警戒情報 ◆土砂災害警戒情報システム ◆土砂災害危険度 ◆土砂災害発生危険基準線(CL)
◆危険度判定図(スネーク曲線) ◆土壌雨量指数 ◆土砂災害(特別)警戒区域について
◆土砂災害防止法と危険区域 ◆土砂災害の前兆現象
土砂災害警戒情報
 「土砂災害警戒情報」は、土砂災害による被害の防止・被害の軽減のため、大雨警報を発表している中で大雨によって土砂災害(土石流や集中的に発生する急傾斜地の崩壊)の発生する恐れが高まったときに、市町村が避難指示を発令する際の判断や、住民の皆さんの自主避難の参考となるよう、北海道と各地気象台が共同で発表する防災情報です。
 この情報は、過去の降雨と土砂災害発生状況の履歴から一定の基準を設け、この基準を超えた、または超えると予想された場合に、土砂災害発生の危険度が非常に高くなったと判断して、市町村単位で発表します。土砂災害警戒情報の発表にあたっては、北海道の「土砂災害発生危険基準線(Critical Line : CL)」と、各地方気象台の「土壌雨量指数(地中に溜まった降雨の量を示す指標)」の2つの指標により判断しています。
 土砂災害警戒情報が発表された場合はもちろんのこと、土砂災害警戒情報が発表されていない場合でも、降雨の状況や周辺の状況を確認し、土砂災害発生の危険性を感じた場合には、速やかに自主的に避難してください。
(参考Web:気象庁HP
土砂災害警戒情報システム
  「北海道土砂災害警戒情報システム」は、大雨により土砂災害のおそれがある場合に、土砂災害警戒情報を補足する情報を提供します。土砂災害発生の危険性をお知らせすることで、道民の皆様の早めの避難や防災関係機関の危機管理体制の強化を目的として整備しました。
 利用においては、「お読み下さい!」を一読下さい。
土砂災害危険度
  「土砂災害危険度」とは、土砂災害警戒情報を補足するため、地域の詳細な土砂災害発生危険度を情報提供するものです。土砂災害警戒情報とあわせ、避難の目安にご活用ください。土砂災害降雨危険度は、土砂災害発生危険基準線(CL)により1kmメッシュ毎に判定されます。
危険度は、以下のように色分け表示されます。
:実況から2時間先までの予想で大雨注意報発表基準超過
  今後の雨量に注意
:実況から2時間先までの予想で大雨警報発表基準超過
  避難準備開始の目安・高齢者等は避難を開始
:実況から2時間先までの予想で土砂災害警戒情報発表基準超過
  速やかに少しでも安全な場所へ避難
:実況で大雨特別警報(土砂災害)発表基準を超過
  直ちに身の安全を確保!

本システムでは、最新実況の他に2時間先までの予想、及び5日前までの過去実況の土砂災害危険度を表示することができます。
・最新実況~2時間先表示
最新実況・予想表示
※図は説明用に大きなメッシュで作成したイメージ図です。
※土砂災害警戒情報基準、大雨注意報基準および警報基準超過については、実況から2時間後予想までを含めて判定しています。

 土砂災害危険度は、土砂災害危険度情報より確認できます。
土砂災害発生危険基準線(CL)
 CLは、Critical Lineの略です。過去の主な土砂災害発生事例について、当時の60分雨量と土壌雨量指数を算出して「実際に土砂災害が起きた状況」をスネーク曲線で再現し、その分布状況から「この線を越えると土砂災害発生の危険性が高い」と考えられる基準線が決められています。これがCLです。
 過去の事例を基に設定されているため、降雨の状況や地盤の状態の変化により、次もこのCLを超えると必ず土砂災害が発生する、というものではありませんし、またCLを超えなければ安全ということもありませんが、災害が発生する確率が高くなることを示す目安と考えることができます。
危険度判定図(スネーク曲線)
 縦軸に短時間降雨の指標となる60分解析雨量(解説:気象庁HP)、横軸に長時間の降雨の指標となる土壌雨量指数を取って、土壌中の水分量を考慮した土砂災害(土石流・急傾斜地の崩壊)の起こりやすさを表示するものです。
 短時間降雨はまだ地中にしみ込んでいないため、地表面の水分量と考えることができます。一方、長時間の降雨は十分地中にしみ込んでおり、土壌中の水分量と考えることができます。どちらかが多くなっても地盤が緩み、土砂災害が発生しやすくなる、という考え方に基づいた危険度判定手法です。
 これらの指標をグラフに描くと曲線状となり、その変化の様子が蛇の動きに似ていることから「スネーク由線」と呼ばれています。グラフは5段階に色分けされており、黄色は土壌雨量指数が大雨注意報の基準を超えたことを、また赤色の部分は土壌雨量指数が大雨警報の基準を超えたことを示していて、次第に土砂災害発生の危険性が高くなっていることを表現しています。右側の紫色の部分は、過去に土砂災害が発生した際の降雨状況を基に決定した「土砂災害発生危険基準線(CL)」を超えたことを示し、ここにスネーク曲線が届いた場合、土砂災害発生の危険性が特に高くなっていることを示しています。さらに右側の黒い部分は、土壌雨量指数が大雨特別警報(土砂災害)発表基準を超えたことを示し、災害発生が切迫した状況であることを表現しています。
スネーク曲線
 ただし、紫色の部分にスネーク曲線が入っても、必ず土砂災害が発生するものではありません。また、紫色の部分に届く前でも土砂災害が発生することもあります。スネーク曲線が高い危険度を示していなくても、付近で異常な音や斜面の亀裂など、土砂災害の前兆現象が見られ始めた場合には、直ちに避難してください。
 危険度判定図には、現在から48時間前の状況と、今後2時間先までの予想が表示され、10分ごとに最新の情報に更新されます。(平成30>年5月30日13時以前は30分ごとの更新)
 危険度判定図は、危険度情報から 各エリア > 市町村 > メッシュ を選択すると表示されます。
土壌雨量指数
 土壌雨量指数は、降水が地中にしみ込み、土壌中の水分量としてどの程度蓄えられているのかを把握するための指標です。
短い時間で見ると、降水はすぐには地中にしみ込まず、ほとんどが地表を流れていきます。一方、長い時間降水が続くと、次第に地中に水が浸透し、土壌中の水分量が増えていきます。土壌中の水分量がある量を超えると、土が柔らかくなり、地盤が緩んできます。この状態になると、急傾斜地の崩壊の危険性が高くなってきます。
 また、降水が一旦やんで、少し時間をおいてから再び降り始める場合、前の降水が土壌にしみ込んでいるためにその影響が無視できません。このような場合、2度目の降水では早く地盤が緩んでくることになります。
土壌雨量指数
以上のように、土壌中の水分量は土砂災害と深い関係があるので、「土壌雨量指数」という指標が考えられたのです。土壌雨量指数の詳しい考え方は以下の通りです。タンクモデルと呼ばれる手法で、土壌中に蓄えられる水分量を直列3段のタンクに置き換えて再現します。
タンクモデル
 第1タンクは「表面流出」を再現しています。降水は第1タンクに一度貯まり、そこから一部が地表面を流れて行き、一部が第2タンクへ入る、と考えます。
 第2層は「表層浸透流出」を再現するもので、一度地面に降水がしみ込んだ後、一部が再び地表面へ流出して行き、一部が第3タンクへ入ります。
 第3タンクは「地下水流出」を再現するもので、降水が土壌地下に溜め込まれ、その後地下水として該当する地区の外へ流れ出ていくものと考えます。
各タンクから流れ出ていく水の量や貯まる水の量は、パラメータとして与えられ、地質などを考慮したものとなっています。
土壌雨量指数は、最終的に以下の式で表されます。
土壌雨量指数=第1タンク水分量+
第2タンク水分量+
第3タンク水分量
このようなタンクモデルで算出される土壌雨量指数と土砂災害との対応は高いことが、これまでの土砂災害発生事例で確かめられています。
(参考Web:気象庁HP
土砂災害(特別)警戒区域について
●土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域
詳細な1/2,500地形図を基に現地調査を行い、土砂災害発生の恐れがある箇所を土砂災害防止法に基づいて区域指定した箇所です。
土砂災害警戒区域は、土砂災害が発生した場合に住民の生命または身体に危害が生ずる恐れがあると認められる区域です。
土砂災害特別警戒区域は、警戒区域のうち土砂災害が発生した場合に建物が破壊され、住民の生命または身体に著しい危害が生じる恐れがあると認められる区域です。開発行為の制限や居室を有する建築物の構造が規制されます。
(参考Web:北海道建設部河川砂防課
土砂災害の前兆現象
 次のような現象を察知した場合は、土砂災害が直後に起こる可能性があります。直ちに周りの人と安全な場所へ避難するとともに、関係機関へ通報してください。
●土石流
  • 山鳴りがする
  • 雨が降り続いているのに川の水位が下がる
●がけ崩れ
  • 川の流れが濁り流木が混ざりはじめる
  • 斜面から小石がパラパラ落ちてくる
  • 地面にひび割れができる
  • 斜面から水がふきだす


お問い合せはこちら (C)2009 HOKKAIDO GOVERNMENT ALL RIGHTS RESERVED.